「会社を辞めたい」は、あなたが正しい

「会社を辞めたい」と思うことは誰もがあります。そのときに「仕事ができないから」とか「我慢が足りないから」とか自分を責めたり、あるいは会社を辞めたいと思うこと自体が無駄だと封印したりしていませんか。自らを否定する必要はありません。「会社を辞めたい」と感じるのはあなたが正しいからです。

会社を辞めたいとき

会社を辞めたくなる理由はたくさんあります。

• 人間関係が悪い
• 仕事が楽しくない
• 給料が安い
• 仕事量や残業が多い
• 仕事が向いていない

私の長いサラリーマン生活のなかでも、このような悩みは普遍的なもので誰しもが感じると言っていいほど身近にある問題です。私自身も実感したことはありますし、多くの相談を受けたこともあります。

辞めたい原因はどっち？

内容は千差万別ですが、ここでパターンがふたつに別れます。　それは・・

A　【会社】に責任があって会社を辞めたくなると解釈する

B　【自分】に責任があって会社を辞めたくなると解釈する

先ほどの理由にあてはめるとこんな感じです。

Aの思考パターン

• 人間関係が悪いのは、対象の人の性格が悪いから、自分とソリが合わないから
• 仕事が楽しくないのは、自分が正しく評価されていないから、自分にはもっと合う仕事があるから

Bの思考パターン

• 人間関係が悪いのは、自分に社交性がないから、自分の気持ちをうまく言えないから
• 仕事が楽しくないのは、自分の能力が低くうまくできないから、どこに配属されても芽が出ないから

どっちをとるのが正解？

あなたはどちらの思考パターンのほうがいいと思いますか。ケースバイケースですし、本来、いいとか悪いとかの観点で語るべきではないかもしれません。

しかしあなたがもし会社を辞めたいと思っておられるなら、私はつぎのように言いたいのです。

Aの思考パターンをとってください！

解釈によってはAは会社のせいにしていて身勝手に思えて、Bは謙虚で自らの研鑽次第でよくなる可能性を感じそうです。

しかし私がAのほうを推す理由は次の通りです。

自分自身の経験や多くの人から相談を受けたことから客観的にみて、会社を辞めたいと思うのは当人が悪いと言うより会社あるいは会社との相性が悪い場合が圧倒的に多い。

自分が悪いと思うと現状打開の方法が「我慢する」という方向に行ってしまう。「我慢」は仕事に対するモチベーションが続かない。

解釈の違いは大きな差を生む

Aは自分ではなく環境が悪いと思うから現状打開の方向が「我慢」ではなく、「変化」に向けて動き出します。

これが現状打開のモチベーションにつながります。

会社は人生のステージです。住みやすい住居を求めて引っ越しするように、より輝くステージを求めて会社もかわっていいと思います。またたとえ会社を辞めることができなくても、A思考なら良くない環境を変えようとする気概は残ります。

一方、Bは会社を辞めたい原因が自分のダメさや弱さだと思うと思考停止して、現状に耐えるだけが解決策になりがちです。環境を変えても自分がダメであることが原因だから状況は好転しないと、つい思ってしまうのです。

ですから会社を辞めたいと心から思うときは、自分に落ち度があるからと思わないでほしいのです。そう思ってしまうと転職や独立をしても腰が引けて、新天地で「これまでうまくいかなかった自分」を引きずってしまう恐れがあります。

ここでもう一度言います。あなたが思う

「会社を辞めたい」は、あなたが正しい！

辞めたいと思わせてしまう会社が悪い、たとえ会社が悪くなくても不幸にもあなたと会社の相性が悪いのです。

あなたが正しいホントの理由

ここで気をつけていただきたいことがあります。

自分に問題があると思ってしまうと現状打開のモチベーションが下がる、だから無理矢理にでも「会社を辞めたい」原因を会社や相性に押しつけろという意味ではありません。

ただ、これだけでは

「ハルサカはなんで自分に原因を求めるなと断言できるんだ？抱えてる問題は千差万別と言っただろ。じゃあ、当人に問題があるケースも当然あるだろ？」

と思われると思います。その回答・・になるかわかりませんが、私の想いは次の通りです。

私は約40年のサラリーマン生活でいろいろな立場を経て思うことは、会社を構成している社員には実は優劣の差なんてさほどないということです。だから「会社を辞めたい」原因を自分に求める(自分がダメと思う)人には、それは違うよと言いたいのです。

では優劣がなかったら学歴や能力ってなに？ということになるのですが、このことについて次回に語らせていただきます。